【書評】チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで
よく見かける本。ここ最近気にしてることに刺さったので感想まとめ。
チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで | 市谷 聡啓 | コンピュータ・IT | Kindleストア | Amazon
それな!ってなったところ
- 特にチーム初期はお互いのリズムをつかむために定期で関わる機会を用意する。場作りを通して誰でも動き出しやすい環境を作る
- 集中力もリソース、集中すべき時間を意識して作り出す
- リードタイムを計測することでなめらかな進行(書籍内で言う「人間のようなチーム」)ができているか判断する
- タスクの重要度や優先度はリーダーだけでなくメンバー全員が把握している状態を目指す(民主化)
- スループットやリードタイムは定期的に計測し、ボトルネックの検知と解消を図る
- リードはまず目の前のタスクをなくす、片付けるのではなくまずはなくす
なるほど!ってなったところ
- リーダーは目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持するもの
- まずはメンバー間の違いを理解し、チーム活動に支障があるようならチームにおけるルールを決める
- チームファーストとプロダクトファーストでチームのあり方が動くのはよくあること
- メンバー同士の制約がなければ活動は集約せず結びつきが弱くなる、完成条件や透明性などチームのルールを自分たちで決める
- OODA は空軍パイロットが用いる意思決定モデルで、PDCA に比べて予測の付きにくい状況に適応するためのモデルである
- PDCA の P に時間がかかりすぎる、という問題が起こるときがある
- チームの相互理解を進めるには何かを一緒に作るのが1番速い
- チームに基準があることで確信を持って前に進むことができる
- 役割を越境するには境界を認識する必要がある、そのために問うのは「自分は何をする人なのか」
- リーダーではなく役割であるリードは交代することができる
- マネジメント故に俯瞰から詳細に踏み込まない、という姿勢は分断を生む。これを避けるには両者を行き来するという負荷と戦う必要がある
- 意思決定の精度はどれだけ前提を問い続けたか、どれだけ選択肢を挙げられたか、という2軸で構成される
- チームメンバーの練度と自立性が高まったなら、リードがボトルネックにならないよう形態を変えていく(ヒトデ型へ)
- 最適化は現状を維持することが前提になる、そもそもこの仕事は必要なのかという前提を疑う機会も必要
- それぞれのメンバーがただ意見を出すだけではカオスになる、仮説検証に基づくチームの基準(共通理解)を作る
感想
新しい視点の発見もあった一方で、自分が実際にやっていることの目的や根拠が明確に言語化されていると感じる箇所も多かった。 自分の考えが自分だけの思い込みではないという後押しになったし、曖昧な思考が言語化(命名)されることで深化させたり派生して考えることがしやすくなった印象がある。 なのでリードエンジニアを試行錯誤中のいま読んだことは非常に有意義だったと思う。
具体的には、リードの民主化や定常的に自分たちを計測する機会の設計はぜひ形にしたい。