EOF2019 に参加してきた

こんにちは、じぬ(@reximology)です。

EOF 2019 というイベントに参加してきました。これはエンジニアリングマネジメントを主題としたカンファレンスです。 eof.connpass.com

ここでは参加したセッションと、特に印象深かった点をまとめます。

はじめに

参加したセッションは次の通りです。(タイムスケジュール

Opening Session 私たちの現在地点、向かうべきところ。

本イベントの概要説明などです。カンファレンスの価値は廊下にある(セッション後に参加者同士でコミュニケーションがとれる場があること)という話をしてました。そこに繋がる流れで隣の人となんかしゃべってくださいはびっくりしましたが、どうにか自己紹介して交流できました。

正しいものを正しくともにつくる

カイゼン・ジャーニーの著者である市谷 聡啓さんのセッション。

www.slideshare.net

https://www.amazon.co.jp/dp/B078HZKLMBwww.amazon.co.jp

要約

  • 不確実性の多い序盤は選択肢を広くとり、仮説検証を繰り返してモデル化することで選択肢を狭めていく
  • 検証をすべて PO に任せるのは間違い、チーム全体(の各個人)で取り組むべき
  • 仮説検証に応じた思考を可視化し、みんなで意見を言い合える環境にする
  • 検証に応じて可変性のある、スプリントと機能完成の中間となるマイル(ジャーニー)の提案

グッときたところ

  • 不確実性があるのは当然、それへの対処を明確に言語化されているのは非常に参考になる
  • スプリントという決まった大きさの物を仮説検証に合わせて柔軟に対応するため、ジャーニーという新しい単位の提案

筋肉質なエンジニア組織を目指して ~失敗と成功から学ぶエンジニア組織の作り方~

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要約

  • 表題の通り、自らの失敗を交えた取り組みの紹介
  • Cheif EM になったが、現場エンジニアのマインドのままだったことが失敗の大きな原因
  • 変化を恐れず、これまでの積み上げに頼らず、常に自分をアップデートするという覚悟
  • 部長との対話を増やし、事業部の要望に応えつつ組織の成長を担うのが EM の仕事

グッときたところ

  • 1on1 にてもうあとがないですよ、と言われてしまうほどに自分の強烈な失敗の話をしてくれたのは衝撃だった
  • エンジニアと EM ではマインドから違うという点、それを認識してきちんと自身を対応させたのは見習うべき
  • 組織はリーダーの器以上にはならない、だからこそ自分を伸ばす必要がある、という金言

社員100人規模のWebサービスにおけるエンジニアリングマネジメント

要約

  • スタートアップ初期、10人〜30人、それ以上、というフェーズごとに CTO として何をしてきたのか
  • スピード優先で開発してきたことによる負債や、人数増加によって手が回らなくなる、など正に成長する企業がぶつかる壁の話
  • 30人を超えると CEO から権限を委譲させた、スケールのために自分も CTO を交代した
  • マネージメントとはいろんな課題を整理してなんとかする、そもそもが曖昧な仕事である
  • 他人の給料が上げられるのならその人は配分をもらう資格がある、というのがマネージャーの給料が高いことに対する解釈

グッときたところ

  • 情シスの設置や企業の社会的責任など、企業が大きくなるにつれて現れる課題の話は新鮮だった
  • マネージャー育成の話は、自分がいま読んでいると通じる箇所も多く参考になった
  • 技術力が高いとは限らないマネージャーの価値とは何か、が給料面の解釈含めてきちんと言語化されていた

エンジニア採用どうしてる? 〜エンジニアのトップが語る、2019年の採用活動の本音〜

要約

  • Classi, Repro という二社での採用に繋がる取り組みの話
  • 優れたエンジニアは面白い課題を求める、会社としてそれを提供するためには数年先を見据えた取り組みをきちんと検討しておくことが必要
  • 採用に関してはとにかくタッチポイントを増やしている、社内イベントに呼んだり技術相談の場を作ってみたり
  • 採用面接やリファラルに向けて社内への取り組みも重要、面接に出られるようにするための研修をする会社もある。Repro では毎週役員レベルの会議に関して議事録公開や質問受付の時間を設けている
  • 採用がうまくいかなかった場合、行った会社の人とコンタクトできるなら答え合わせ(なぜ採用できなかったか)をすることもある

グッときたところ

  • 自身もリファラルを考えたときにいまいちうまくイメージできなかった経験がある。なのでそれに向けて社内への呼びかけや情報伝達を行う取り組みは良いと感じた。
  • カンファレンスのスポンサーになるなど、採用に対して効果はあるが測定できない、そのため予算を確定しにくい、というのはたしかにと思った。

持続可能なエンジニア組織のデザインに必要な事とは

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要約

  • 創業から5年間の取り組み(エンジニアが0人から40人になるまで)
  • 初期は知名度皆無、なのでエージェントを訪問してその場で一緒に書類審査するなど、泥臭く信頼関係を構築していった
  • 運営を引き継ぐという事業の特性上、開発者の暗黙知は消滅を避けられない
  • どんなに人手不足でも新規入場者をすぐ高負荷なチームには入れることはしないという決断
  • ビジネスが安定してくることによるチャレンジの不足、それによるシニア技術者の不満

グッときたところ

  • エージェントとの信頼関係、と言う観点
  • チャレンジ不足と言う不満は現場からは「でも事業的に仕方が無いですよね」、という形で現れていた
  • 実際に不満があるかどうかよりも、事業が成功した結果チャレンジが不要な物であると捉えられていることこそが大きな問題
  • 成長した先には光があるべき、シニアが憧れを受ける組織であるべき
  • 事業貢献と技術的チャレンジは双方が必須、前者がなければそもそも価値を満たせないが、後者がなければエンジニアの時間を切り売りしているだけ

学習する組織の作り方

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要約

  • フロント技術だけで見ても学習するべきことはどんどん増えている、時間は無限に必要
  • 書籍「学習する組織」から学んだ五つの観点:自己マスタリー、共有ビジョン、システム思考、メンタルモデル、チーム学習
  • 毎週作った物を見せ合う場を用意し、アウトプットとそのためのインプットの仕組み化
  • 社内 ISUCON やハッカソンによる体感を通した学習
  • 自分がエンジニアコミュニティで経験してきたことを社内で再現した

グッときたところ

  • 製品版にはセキュリティなど様々な制約が必要
  • それを外した状態でどこまで速度が出るのか、どんな品質で動くのか、という体感を通して理想を得る
  • 自身がエンジニアコミュニティで得た体験を社内で再現するという観点は新鮮だった

DMM改革の1年、その実際と反省

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要約

  • エンジニア/デザイナーだけで1000人近い組織をテックカンパニー化することが与えられたミッション
  • マネジメント観点以外にも様々な視点(売り上げを元に並べてみたりやサークルやチャット上の交流など横のつながり)で組織構造を眺め、その結果からまんべんなくヒアリングを実施して現状を把握した
  • 課題、その課題に対する現場がどんなフィルターを通して解釈しているか、そこから逆算して現場の状況や目的はどうか、を理解していく
  • ミッションやビジョンを通して現場における行動までを説明できる一貫したストーリーを整える、それが企業における文化
  • 情報公開の場所やタイミングを統一してアクセスを容易にし、自分からの発信とインタビューなど外部を通した発信を重ねることで情報に浸透圧をかけていく

グッときたところ

  • 正しく組織をハックするといった内容
  • 様々な視点を通した組織の俯瞰、偏りのないヒアリング対象の選定
  • トップにあるミッションからそれを具現化していく戦術までの一貫したストーリー
  • 自分からの発信をどうやって現場に浸透させるかまでの具体的な見通し
  • ヒアリングを通して見えた課題の解消をパッケージ化し、少しずつ現場に浸透させてその成功を認めることで各メンバーに理想的振る舞いのメンタルモデルができていく、それこそが企業の文化
  • 何気ない会話の中にミッションが混ざる、例えば slack のスタンプにそれが垣間見える、それこそが文化の浸透

振り返り

イベントに関して

弊社も含めてやはり課題は似たようなものが多いんだなと言う印象です。組織規模の拡大によって無視できなくなる技術負債、エンジニア採用、継続的なチャレンジ課題、文化醸成、などなど。 マネジメントやチーム作りは新卒やよほどの技術スペシャリストでなければ一度はぶつかる課題かと思うので、エンジニアならたいていの人にとって身近な話題だと思います。 それだけに講演を聴くだけでもいろいろと学んだ気になることが多いです。ですがそこでとどめず、自分の振る舞いや自分のチームにおいてどう活かすか、まで踏み込めると正しく血肉にできるのかな、と感じます(自戒)。

その他の講演

聞けなかった講演の資料をまとめようと思ってましたが、こちらでまとめてくださってたので貼っておきます。 medium.com